積雪数メートルにもなる新潟県小千谷市。温暖化の影響で降雪量が減ったとはいえ、大雪が特徴の小千谷市は、寒い冬があるからこそ温かいものを生み出してきた地域でもあります。

小千谷紬

寒さに強く1000年の歴史を持つ越後上布の技法をもとにした「小千谷縮」そのひとつです。越後発、小千谷縮の伝統と魅力を紹介します。

温かみのある風合いが特徴の「小千谷紬」とは

小千谷紬

越後上布が主流だったところに、新しい織り方が加わりでき上った小千谷縮は、夏の衣料向き着物や外出着に仕立てたられていることでも知られています。

ふんわりとした真綿の手紡ぎ糸や、軽くて保温性のある絹糸などを使用し、素朴な味わいのある反物や着物が完成するのです。

また、生地の特徴としての小千谷紬は、反物の横に通した緯糸に、玉繭の糸の経糸を走らせることで作られていきます。

 

紬というと落ち着いた色が主流のように感じますが、小千谷紬は明るい色から濃紺やこげ茶などの色まで幅広く作られています。

無地や白紬に加え、織り上げられる模様もさまざまで、一つひとつデザインされた織り柄まで幅広いことも特徴です。

着物の絵柄もワンポイントのような柄もあり、若い人にも喜ばれる着物になっています。

 

小千谷紬には、「柿泥小千谷紬」は、緯総絣の柿渋染、泥媒染の着物に仕立てられ真綿を使った紬です。

これが、小千谷紬の代表的な織り方になります。

 

また、「古典絣つなぎ糸」は、織り柄に特徴があり、1反中に約70にも及ぶ柄を使った絣を織り込んでいきます。

そのため、織り上げた柄が単色で終わることはありません。そして、「本松煙小千谷紬」も小千谷紬としてよく知られた織り方で、先染め紬糸を使用した真綿紬です。

小千谷紬の暖か味が愛される理由

小千谷紬を含めた紬を構成する糸は、織る前に染める糸を使うので「紬糸」と呼ばれています。

小千谷紬の場合は、繭を煮てやわらかく広げた真綿から作った糸で、すべてハンドメイド、つまり職人により手織り機で織り上げられていきます。日本の伝統としての紬は、織られる地域や場所によっても特色が異なります。

小千谷紬

小千谷紬は真綿を使いますが、大島紬は生糸、つまり茹でずにそのまま繭からとった糸を使用します。

風合いや軽さなどの暖か味、色の出し方などそれぞれに特徴があるのです。

小千谷紬には、「縞」や「格子」などの柄、「絣柄」を組み合わせた織り模様などを中心に織り上げられています。

毎日着用できるお手頃な着物

紬はカジュアルな着物に仕立てられるので、式典や正式なパーティーなどには不向きですが、お食事会やお出かけ、お買い物などの普段から着用することができます。街着としても春、秋、冬に楽しめる着物です。

小千谷紬にもいくつかのグレードがありますが、高価なものでは100万円を超えるものもあります。

しかし、紬で仕立てられる着物は、高価なものでも「普段着」という風習がありました。最近では、おしゃれ着として人気が高まり、種類によっては準礼装として着用する方もいらっしゃいます。

伝統工芸品としての魅力

紬の織物は、蚕を育てて繭を採取するようになったのが、江戸時代中期になります。その後、江戸時代後半には、上州(現在の群馬県周辺)や京都など、日本の織物産地としてよく知られる地域からも、絹の糸を買うために多くの人が訪れるほどでした。

本格的に小千谷紬の生産が始まったのは、昭和初期で、今手にする反物や着物のための織物が作られました。

 

大島紬や結城紬、牛首紬と並ぶ「小千谷紬」は、日本を代表するブランドのようなものです。

本物の小千谷紬が「伝統工芸」に含められるのは、1000年の歴史があるというだけでなく、この反物の製法にあり、織物職人によって手間暇かけて作られていくからです。

小千谷紬

インテリアにも浸透させやすい色と風合い

紬の特徴は、色や風合いがシンプルと思われる方も多いでしょう。色や風合いがシンプルでなじみやすいのは、「染め糸」を使っているからかもしれません。紬糸にする前に、藍や泥、草木を使って糸に着色します。

藍染めといっても、濃い藍色から、空の澄んだ青さを表現する明るめの藍色までさまざまです。

泥や草木で染めて、藤色、柿色、薄茶色、薄緑色などに仕上げられ、ときには、濃い朱色や葡萄色のような濃い色にも染め上げられます。

しかし、紬糸を染めるのにつかわれる色が、どんなに濃くても大自然を基調とした色なので、絵の具やマジックで書くような色ではありません。そのため、木や竹が活用される日本家屋には、とてもよく合う色と言われてきました。

多彩な色が表現できる小千谷紬は、着物だけでなくさまざまなアイテムに使用されるようになりました。

ダイニングのテーブルで使用するライナーやテーブルウェア、のれんやカーテンなどさまざまな楽しみ方も増えています。もちろん、着物がメインの素材ですから、着物に使用する小物、洋服などの衣類やおしゃれ用アイテムにも使用されています。

軽くて暖かいという特徴を活用して、ブラウスや女性用の衣類としてさまざまなところで見かけられ、ネクタイなども人気の高い商品です。

まとめ

着物が大好きに方にとって、紬といえば普段着や街着になるおしゃれ着のひとつです。伝統的な小千谷紬が普段着なんてちょっと高級なイメージですが、着こなすほどに味がでます。

着物が日本の伝統の衣装であれば、その着物になる紬も日本の伝統として触れてみたいですね。